1948 FLEET MASTER CONVERTIBLE
74年前のクルマですが、快適仕様へ
アップデートする作業を進めてまして

今回、ハイドロの乗り心地を良くするために
コイルの巻き数を少しでも長く入れようと
ロワーアームのコイル受けを下げる加工をしたので

車高を上げると、キットに付属していたスウェイバーは
コイル受けに当たるようになっってしまい
キットのスウェイバー構造は使えず、設計し直しへ

スラムド時から車高をMAX上げた時まで
スウェイバーが追従できる位置を検証すると
キットに付属してきたスウェイバー本体は使用し

ロワーアームへの取り付け位置は変えずに
固定位置を本来のメンバー後方から
前側に移設し、スウェイバーの幅をナロー

その取り付け位置だと、スラムドから車高MAXまで
全車高域をカバーできることが解りましたが
スウェイバーの前側のクランプを取り付けする場所がなく

位置的に、以前製作したコアサポートマウント用の
クロスメンバーの下になるので
前側のブラケットを取り付けたい位置まで

クロスメンバーを延長し、コアサポートマウント兼
スウェイバーブラケットに作り変えることに
コアサポートマウントは、TCI製のフリートライン用が

フリートマスターコンバーチブルのフレームには合わず
TCI製をもとにコンバーフレーム用に手直ししつつ
強度と見た目を兼ね備えるよう、かなり造り込んだ造形。。。

そこから、まさかの追加加工となり、機能と強度はモチロン、
造形美にも拘った設計で、コアサポートマウント兼、
スウェイバーマウントの2階建て構造に作り変えられました

スウェイバーのセットアップを終えたら
次はショックの取り付けに進みまして
ハイドロ車だと、フロントはショックは

付けないクルマがほとんどと思いますが
このフリートコンバーは、ハイドロで乗り心地も
快適仕様を目指しているので

フロントショックの取り付けは必須項目。
FATMANやTCI、CPPなど、よくあるMUSTNAG2キットだと
エアサスを組む場合、ショックのリロケートしますが

リロケート位置がロワーアームの付け根吹きと
フレームのコントロールアームの後ろに
斜めに設置する構造になっていまして

それだとショックのストロークがアームの
ストロークと並行にならないので
車高調の装着されていない車のストロークなら

ぎりぎり、ストロークをカバーできる動きですが
エアサスやハイドロを組んでいる、可動域が大きい
クルマだと、ショックとアームが並行に動かないので

途中からショックにねじれる力が掛かってしまい
ショックのブッシュの傷みが早くなったり、
ショックマウントが折れたりします

フィットでは、フロントのショックをリロケートする場合
ショックとロワーアームが並行に動くように設計し
既に斜めに作られているクルマの場合は、

壊して、新たに並行になるよう作り直します
今回も、TCI製のキットにはショックを斜めに
取り付けるマウントが付いてきましたが

ロワーアームと並行に動くように設計し直し。
ロワーアームにショックを取り付ける部分は
エアサス車同様、ハイドロ車はシリンダーがついて

ロワーアームのセンターにはショックを組めませんが
シリンダーの位置が、最もショックが荷重を適正に
受ける部分なので、出来る限り同じ位置が理想

本来のショックを取り付ける位置と同じ出具合で
ショックを取り付けようとすると
ロワーアームから、かなり離れた位置になるので

そこまで取り付け部分を延長する必要があり
延長が長くなる分、取り付け部分に負荷が
掛かるので、強度も必要となりまして

ロワーアームにショックアンカースタッドを取り付ける
延長用カラーを製作し、ネジ山を作りまして
青ニスを塗ってカラーにスタッドを締め込んだ時に

スタッドのボルト座面がしっかり効いているか確認
ショックのマウント部分は負荷が掛かるので
ネジだけでなく、座面でしっかり受けれるよう

カラーの端や内径を面取りして対策されまして
ロワーアームの側面にカラーをぴったりと
合わせるのは”座ぐり” と われる加工方法で

どう削れば合うようになるか、型をとるのも
丸い物どうしの3次元なので超難解。。。。
写真のように、ミスなくピタピタに合わせられるのは

金属加工の熟練者ならではで、流石です
ショックのロワー側の取り付け用カラーを製作し
ロワーアームに溶接するだけでは

接合部分が溶接の熱で硬くなるうえ、そこに負荷が
掛かると、折れやすくなるので
溶接面と強度を増やすために、両端にリブを追加

ロワーのショックマウントが出来たら、ショックあ
オリジナル同様の角度で取り付けできるよう
ショックの上側と、フレームをつなぐブラケットを設計

上側のマウントブラケットも、FATMANやTCIなど、
よくあるMUSTNAG2キットだと
厚い鉄板を切り出した板状のものがほとんどですが

負荷と強度を考えると、リブを入れた2面構造が理想
TCIやFATMANと同じ板厚の鉄板で、メインの
ブラケットを切り出したら、少し薄い板を切り出し

側面に補強を入れまして、溶接跡を仕上げる際は
多数の面で構成されている構造体を、どのような
ラインで仕上げていくのが、強度的にも

造形美の面でも、最適なのか考えて決めていき、
青ニスを塗って確認しながら仕上げていきます
フレームをMUSTANG2にするというだけなら

市販品をそのままセットアップすれば大丈夫でも
スラムドする仕様に組むとなると、メーカーの設計、
想定を超える作動域で使う事になるので、

本来のサスペンションの性能、機能をきちんと
果たさなくなったり、強度不足になるので
無理なくスラムドできる構造、強度、耐久性、

造形美や、後のメンテナンス性まで拘って作っていくと、
検証や設計、製作に時間が掛かりますが
ちゃんと走れるクルマになるので安心です